墓じまいは何から始める?手続きの流れと後悔しないための注意点

2026年8月4日

「お墓を継ぐ人がいない」
「遠方にあるため、お参りや管理が難しい」
「子どもに負担を残したくない」

こうした理由から、墓じまいを検討する方が増えています。

ただ、墓石を撤去すれば終わりというものではありません。お墓の中にある遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、改葬の手続きが必要です。

墓じまいを考え始めたら、まずは遺骨の新しい納骨先を考え、家族や墓地の管理者へ相談することから始めましょう。


墓じまいとは?

墓じまいとは、現在のお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して、墓地を管理者へ返還することです。

取り出した遺骨は、一般的に次のような場所へ移します。

  • 別の家族墓
  • 永代供養墓
  • 納骨堂
  • 樹木葬
  • 合葬式墓地

墓地や納骨堂から遺骨を別の墓地・納骨堂へ移すことを「改葬」といいます。改葬を行うには、現在遺骨が納められている場所の市町村から、改葬許可を受けなければなりません。


墓じまいで最初にすること

1.家族や親族へ相談する

まずは、お墓に関係する家族や親族へ相談します。

お墓を管理している方だけで決めてしまうと、

「先祖代々のお墓を残してほしかった」
「合祀するとは聞いていなかった」

といった行き違いが起きることがあります。

特に、複数の家の遺骨が納められている場合や、親族もお参りしているお墓の場合は、墓じまいを考えた理由と今後の供養方法を伝えておきましょう。


2.遺骨の新しい納骨先を決める

墓じまいをする前に、取り出した遺骨をどこへ移すのかを考えます。

主な選択肢は、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、合葬式墓地などです。

新しい納骨先を選ぶときは、費用だけでなく、

  • 遺骨を個別に安置する期間
  • 将来合祀されるか
  • 合祀後に遺骨を取り出せるか
  • 年間管理料が必要か
  • 宗旨・宗派の条件があるか
  • 家族がお参りしやすい場所か

を確認しましょう。

一度合祀すると、遺骨を個別に取り出せない場合があります。家族で十分に話し合ってから決めることが大切です。


3.現在のお墓の管理者へ相談する

寺院墓地であれば菩提寺、公営墓地や民間霊園であれば管理事務所へ連絡します。

確認する内容は、主に次のとおりです。

  • 墓じまいに必要な手続き
  • 墓地の返還方法
  • 墓石工事に関する決まり
  • 指定の石材店があるか
  • 遺骨の埋蔵を証明する書類の発行
  • 閉眼供養を行うか

寺院墓地の場合は、これまでお墓を守ってもらったことへの感謝を伝え、早めに相談することをおすすめします。

費用や手続きだけを一方的に進めるのではなく、今後の供養方法を含めて丁寧に話し合うことが大切です。


墓じまいの基本的な流れ

墓じまいは、一般的に次の流れで進めます。

1.新しい納骨先を決める

永代供養墓や納骨堂などを見学し、契約内容を確認します。

新しい納骨先から、受入れを証明する書類を求める自治体もあります。必要書類は自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。

2.改葬許可申請書を用意する

改葬許可は、現在遺骨が納められている墓地や納骨堂の所在地を管轄する市町村へ申請します。住んでいる市町村や、新しい納骨先の市町村へ申請するわけではありません。

3.現在の墓地管理者から証明を受ける

改葬許可の申請には、現在の墓地や納骨堂の管理者が作成した、遺骨が納められている事実を証明する書類が必要です。

加古川市でも、改葬許可申請書へ記入したうえで、現在のお墓の管理者から埋蔵の事実について証明を受ける流れが案内されています。

4.市町村へ申請して改葬許可証を受け取る

必要書類を提出し、問題がなければ改葬許可証が交付されます。

この改葬許可証は、遺骨を現在のお墓から取り出し、新しい墓地や納骨堂へ納める際に必要です。

高砂市内のお墓から遺骨を移す場合も、改葬許可の申請が必要と案内されています。

5.閉眼供養を行い、遺骨を取り出す

仏式のお墓では、墓石を撤去する前に閉眼供養を行うことがあります。「魂抜き」「お性根抜き」などと呼ばれることもあります。

宗派や寺院によって考え方が異なるため、菩提寺や僧侶へ確認しましょう。

6.墓石を撤去して墓地を返還する

石材店へ依頼して墓石を撤去し、墓地を更地に戻します。

撤去工事の方法や返還時の状態は墓地ごとに異なるため、工事を依頼する前に管理者へ確認が必要です。

7.新しい納骨先へ遺骨を納める

改葬許可証を新しい墓地や納骨堂の管理者へ提出し、遺骨を納めます。

改葬許可証がなければ、墓地や納骨堂の管理者は原則として遺骨を受け入れることができません。


墓じまいにはどのような費用がかかる?

墓じまいの費用は、お墓の広さや墓石の大きさ、立地、遺骨の数、新しい納骨先によって異なります。

主に考えられるのは、次の費用です。

  • 墓石の撤去・処分費用
  • 遺骨の取り出し費用
  • 閉眼供養のお布施
  • 墓地の返還に関する費用
  • 新しい納骨先の使用料
  • 納骨料や法要料

お墓が山間部にある、重機が入りにくい、墓石が大きいといった場合は、撤去費用が高くなることがあります。

石材店へ依頼するときは、「墓石の撤去だけでなく、更地に戻す費用まで含まれているか」を確認し、できれば見積書で内容を確認しましょう。


寺院へ高額な離檀料を必ず支払う必要はある?

寺院墓地からお墓を移す際に、「離檀料」という言葉を聞くことがあります。

離檀料は法律で一律に定められた料金ではありません。これまで供養や墓地管理をしてもらったことへのお礼として渡す場合がありますが、金額や考え方は寺院との関係によって異なります。

最初から対立するのではなく、墓じまいを希望する理由や今後の供養方法を説明し、落ち着いて相談しましょう。

金額について大きなトラブルになった場合は、行政の相談窓口や法律の専門家へ相談する方法もあります。

実際のところ加古川市・高砂市・稲美町・播磨町において、「離檀料」で大きく問題になったことはほとんど聞いたことはございません。


墓じまいで後悔しないための注意点

新しい納骨先を決める前に墓石を撤去しない

遺骨の行き先が決まらないまま墓石を撤去すると、遺骨の保管や手続きで困ることがあります。

先に新しい納骨先を決め、必要書類を確認してから工事を進めましょう。

合祀の条件を確認する

永代供養墓や合葬式墓地では、最初からほかの方の遺骨と一緒に納める場合と、一定期間個別に安置してから合祀する場合があります。

加古川市の日光山墓園合葬式墓地にも、直接合葬する方法と、個別安置後に合葬する方法があります。

合祀後は取り出せない可能性があるため、契約前に必ず確認してください。

お墓に何人分の遺骨があるか確認する

古いお墓では、墓地の記録と実際の遺骨の数が一致しない場合があります。

改葬許可申請は、遺骨一体ごとに情報が必要になることもあるため、墓地管理者と事前に確認しておくと手続きが進めやすくなります。

行政手続きと墓地の返還手続きは別に考える

改葬許可を受けただけでは、墓地の返還や墓石撤去が完了したことにはなりません。

市町村への改葬申請、墓地管理者への返還手続き、石材店への工事依頼を、それぞれ進める必要があります。


葬儀の際に墓じまいも決める必要はありません

家族葬や一日葬、直葬などの葬儀を行った後、

「今あるお墓へ納骨するのか」
「この機会に墓じまいをした方がよいのか」

と迷われるご家族もいます。

しかし、葬儀中に墓じまいまで急いで決める必要はありません。

まずは火葬後の遺骨をご自宅で安置し、親族や菩提寺と相談してから今後の供養方法を考えることができます。

故人様の納骨と、先祖代々のお墓を今後どうするかは分けて考え、家族が納得できる方法を選びましょう。


加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で墓じまいを考える方へ

加古川市・高砂市・稲美町・播磨町で墓じまいを行う場合も、現在遺骨が納められている墓地の所在地によって、申請先や必要書類が決まります。

たとえば、現在のお墓が加古川市内にあれば加古川市へ、高砂市内にあれば高砂市へ改葬許可を申請します。お住まいが同じ地域とは限らないため、墓地の所在地を基準に確認しましょう。

すみれホールでは、葬儀後の納骨や供養について、

「お墓を継ぐ人がいない」
「永代供養へ移したい」
「墓じまいを考えているが、誰に相談すればよいか分からない」

といったご相談もお受けしています。

最初からすべてを決める必要はありません。まずは現在のお墓の状況と、ご家族が今後どのように供養していきたいかを整理するところから始めましょう。

また、これまでお手伝いした中で大変だったのは墓地管理者の証明をもらうことでした。大きな霊園や墓地では問題ありませんが、村墓地などの小規模のところだと管理人を探すところから、さらには管理人も役であたっているだけで全く事情を理解していない場合もあり証明をもらうのに時間がかかることがありました。個人ですすめるのは難しい場合があるので、仏壇や石材店と連携してすすめることが大事です。


まとめ

墓じまいを考えたら、いきなり墓石を撤去するのではなく、次の順番で進めます。

  1. 家族や親族へ相談する
  2. 遺骨の新しい納骨先を決める
  3. 現在のお墓の管理者へ相談する
  4. 市町村へ改葬許可を申請する
  5. 遺骨を取り出し、墓石を撤去する
  6. 墓地を返還し、新しい納骨先へ遺骨を納める

墓じまいで大切なのは、現在のお墓を片付けることだけではありません。

遺骨を今後どこで供養するのか、家族がお参りを続けられるのか、将来誰かに負担が残らないかまで考える必要があります。

急いで決めず、親族、墓地の管理者、新しい納骨先と確認を重ねながら進めましょう。

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